●2003年０１月１０日

母の入院申し込みで精神科のある旭区の神奈川病院へ行って来た。半日掛かりで人生の終着駅を見てきたような気がする。

　　　　　● 2003年０３月１１日

神奈川病院入院中の母を見舞い四時間ほど遊んできた。食欲もあり元気一杯だった。月一度しか行けないのに長生きして居て欲しいとは勝手な話だと思う。離れて暮らしてみて、母のことより自分の都合のほうが重視されることに気が付いた。面会の時の嬉しそうな笑顔が辛かった。

　　　　　●2003年０４月１０日

母の妹二人と姪を誘って神奈川病院に見舞いに行った。母の笑顔は最高で妹たちの方が元気が悪かった。６-８０年昔の話で盛り上がり、帰りは温泉チャレンジャーに寄って来た。家庭風呂と違い天然温泉は身体に良い感じだ。母のお陰で良い思いをした。

　　　　　●2003年０６月２０日

従姉妹二人と母の見舞いに行った。長男の顔を忘れてしまったようで穏やかな表情になっていた。現実から開放されて幸せな毎日を送っている。

　　　　　●2003年０７月１１日

神奈川病院見舞いで母の安定振りが著しい。俗世の悩みから開放され感謝の言葉を強調して天使になっている。。老健セラトピアの内定を貰った。

　　　　　●2003年０７月２８日

母が神奈川病院を退院して、特養セラトピアへ引っ越しする。バリアフリーを実現できずに自宅へ迎えられないのは悲しく、住まいの貧しさを思い知る。

　　　　　●2003年０８月０６日

特養セラトピアへ母を見舞いに行った。重度の人ばかりで母が浮いている。遠くから見つけて笑顔を見せるなど気持ちは非常に落ち着いている。バリアフリーの居間があれば自宅介護も出来そうな状態に見えた。今は三階だが軽度の二階へ移動できる日を待っている。

　　　　　●2003年０８月１８日

母の状態が悪く 歩行困難に成るなど急に弱ってしまった。引っ越しが悪かったのか、単に老衰なのか？自宅への帰宅も含めて判断が難しい。

　　　　　●2003年０８月２２日

セラトピアの母を一泊外泊で自宅に呼ぶことにした。大変なことは判っているが、温和しくなって諦観の気持ちを示すので見ていられないのが本音だ。

　　　　　●2003年０８月２５日

昨日一泊外泊で母を自宅に連れて来た。新しい記憶は薄れているが精神状態は良くて安定していた。おぎもを忘れる事は無く、孫も識別した。夜は店の前に並んで家族で鶴見川花火大会を見て、曾孫のピアノ演奏を聞いては「１０歳なのに上手だね�ゥ」と普通の会話も出来ている。無理をしてでも在宅介護が望ましいのか？

　　　　　●2003年０９月０１日

六ヶ月点検後セラトピアに行った。母の体が左に曲がり直立出来なくなっていた。五時間の観察で介護の手が不足してオヤツも見落とされ、何の誘導も行われなかった。元気な老人ばかりが優遇され意志を表現出来ないと放置されてしまう現実を見た。医師に訴え朝晩のハロペリドールを朝だけにして貰う事にした。介護士も交代があるので意思表示が出来ないと水分も食事も不足になってしまう。次第に衰弱するのを見ているだけの現状が情けない。

　　　　　●2003年０９月０４日

飛高さんに居室工事依頼をし、母を見に行ったが元に戻っていなかった。自分で食事も出来ず体が曲がったままだ。来週にはまた一時帰宅の予定。在宅介護のために居室工事を注文した。

　　　　　●2003年０９月１６日１４日

14日から今日まで母を自宅に迎えた。予算がないからとの理由で県も市も町会も敬老会を辞めた。僅かな祝い金を配らなくても良い、老人が粗末にされている現代、義務教育の学校施設で子供達の遊ぶ姿を老人に見せる位は出来る筈だ。子供たちが元気に遊ぶ姿を見せる事が老人に活力を与えるし、子供たちも老人に対する心を養えるだろう。施設慰問で敬老と言うのは簡単だが、自宅で寂しい思いをしている老人には誰も目を向けない。情けないことだ。無理を承知で自宅に連れ帰り、母の希望で入浴させたら溺れそうになってしまった。今日は又老健に帰るのだが、精一杯の敬老の日を送ることが出来て母はとても喜んでくれた。バリアフリーを解消出来なくて自宅介護は不能だが可能な限り帰宅の時間を作りたい。

　　　　　●2003年０９月２６日

白血球が２７４００となり一人分３０００も増えた。自覚症状が無いので希望の灯が消えたような数値だ。病状が進んでいるのか？と尋ねたら薬で安定している��ぢ・と言われた。店の住居化工事は来週にも始まるが、セラトピアに居る母の衰弱は著しく、食事が減っている。夕食を食べさせるのに一時間掛けても残してしまった。

　　　　　●2003年１０月１０日

母の衰弱が酷い。自力で食べない、歩かない、声が出ない。薬を止める様頼んだが、パーキンソンを疑われシンメトレルを飲まされている。

　　　　　●2003年１０月１３日

マンホールが上るほどの雨が降ったり凄い日だった。母を連れ帰り、歌を唄い歩行練習をしたり、食事を沢山食べさせて就寝前には梅酒を飲ませた。

　　　　　●2003年１０月１７日

母はプリンを食べることもしない。口が開かず自力で食べようとしない。舌が前に出てしまい食べさせようとしても「拒否」の形になる。用心深くて誤嚥を避ける為の行動だと看護士に説明して、食べさせ方に注文を付けた。

　　　　　●2003年１０月２４日

母の調子が良い。プリンを自発的に短時間で食べた。ヤクルトも早く飲めた。夕食も自分で食べる。歌う声にも力がある。歩けないが元気が出ている。

　　　　　●2003年１０月３１日

母は夕食を完食したが立とうという気がない。お茶を飲ませるよう指示したが依然としてゼリー状にして与えている。看護士の意見が優先だ。

　　　　　●2003年１１月２３，２４，２５日

自宅介護で母の回復振りが良く判った。立ち上がりが出来ないだけで意識は確りしている。良く食べ良く話し、眼鏡を掛けると本も読む。

　　　　　●2003年１２月０９日

問屋が潰れ、来店客も減り、母を入院させ、経済的に大きな負担を余儀なくさせられた一年だったが、質素に徹して乗り越えそうだ。他所様から見ると凄いゆとりを感じるらしいが、火の車の暴走だ。それでも、希望を失わない。白血球が増えても、若くないから急変は無いらしい。喜ばしいことなのだ。